今回は、検査で重症レベルの炎症だった腱鞘炎の患者さんが改善された事例をご紹介します。
腱鞘炎の症状
※腱:腱とは骨と筋肉を結び付けているもの。 ※腱鞘:腱鞘とは骨に付いていて腱を通すパイプのようなもの。腱鞘炎で痛める箇所はここ。 患者さんは西宮市在住の産後2か月の女性で、両手首の痛みと特に左手の手首の親指の付け根側の激痛を訴えられていました。 腱鞘炎の有無を判断するテスト(フィンケルシュタインテスト)ではかなり重症の腱鞘炎であるという結果が出ました。 その他にも、基本的な体中の機能を判定する検査をしていった結果、他に肩甲骨の周りの筋肉の硬さがあることがわかりました。腱鞘炎に対しての処置
それら結果をふまえて以下の処置を行いました。- 手首へのキネシオテーピング (筋肉へのアプローチ)
- 手首や親指に関連する首の骨を矯正する (骨と神経へのアプローチ)
- 女性ホルモンのバランスを支配する神経を調整する (神経へのアプローチ)
- 肩甲骨周りのケア (筋肉へのアプローチ)
炎症の酷い手首へはまずキネシオテーピング
手首についての処置では、患部である手首は強い炎症状態ですので、まずは患部を冷やすアイシングをします。 それと共に、弱った筋肉を助けて強化もできるキネシオテープによるテーピングを行います。 実際には腱鞘炎は、キネシオテープによるテーピングをしただけで痛みが消失・減少する人が半数以上です。 今回の重症の腱鞘炎の1回目施術直後では、当初10あった痛みはテーピングで4にまで減りました。手首や親指に関連する首の骨を矯正する
骨や神経の矯正(アジャスト)は、カイロプラクティックの代表的な施術ですが、手首が痛む腱鞘炎でなぜ首の骨?と不思議に思う人も多いと思います。 しかし、首の骨を含む背骨はすべて神経によって体中とつながっており、今回のように患部が酷い炎症で触ることが出来ない場合などには関連の強い箇所をケアすることで、間接的に患部をケアします。 詳しくは、検査で反応のあった手首の短母指伸筋の神経(橈骨神経)が出ている首の骨の箇所(頸椎5番)を矯正して正しい位置に戻し、神経が正常に機能するよう状態を整えます。女性ホルモンのバランスを支配する神経を調整する(神経へのアプローチ)
実は腱鞘炎で来院される患者さんは産後の女性・閉経前後の女性であることが多く、共通することはホルモンバランスが大きく変化している時期であるという事なのです。 こうした理由から、女性ホルモンのバランスを支配する神経を調整していく処置をおこないます。 手首の神経に関連する首の骨を間接的に調整するのと同様に、女性ホルモンをメインで司る神経に対し、矯正し調整していきます。 このような、神経に直接アプローチできる施術テクニックはたくさんある整体の中でもカイロプラクティック独自のもので、根本的な改善につながるものです。肩甲骨周りのケア(筋肉へのアプローチ)
また腱鞘炎の痛みの箇所とは違う箇所?、と不思議に思われる人もいるかもしれません。 しかし、手首・腕・肩甲骨(背中の羽のような骨)は腕ユニットとしてひとつのチームなので、そのどれかの働きが低下すると関連して相互にユニット全体の働きが低下するのです。 首の骨へのアプローチでも触れましたが、炎症がひどく直接患部を触れない場合にはこうした関連する別の場所を関節的にケアするのは大変有効です。 具体的には肩甲骨周りの硬くなった筋肉をほぐし、肩甲骨の動きを良くして働きやすくしていきます。 肩甲骨の働きが良くなることで、腕や手首だけでおこなっていた動きを肩甲骨にも分散することができ、手首の負担を大幅に減らすことができるのです。痛みの改善を早くするために
また、続けて来院していただくのと同時に、痛みの早期改善のためにやっていただいた事がありました。- 手首を使わない抱っこ方法など日常生活で手首の負担を減らす体の使い方。
- ホルモンバランスを整える食事。