首のストレッチを行うと鳴るポキポキ音について不安に思われている方は少なからずいらっしゃるかと思います。 結論から言うと、事故や怪我で鳴るようになったまたは痛みがあるという場合を除いで、多少のポキポキ音は問題ありません。 この記事では首ポキ音の正体と、首ポキ音と上手に付き合いながら肩こり・首こりを改善する方法を紹介します。
首がポキポキ鳴る原因とリスク
先述の通り、首のストレッチなどの際に多少ポキポキ鳴るくらいなら特に問題ありません。 ただし、思い切り首を振りまわせば軟部組織などを傷める可能性があるので、鳴らすために強い力をかけるのはやめておきましょう。 そういった注意点もあるので、この章では、首ポキ音の正体と、気をつけておきたいリスクについて紹介します。
首がポキポキ鳴る原因
首がポキポキ鳴る原因は簡単に言うと、関節包(関節の間のにあるクッションのような液体部分)の内部に発生した気泡が弾ける音です。 気泡は、圧力の変化で液体内に真空の気泡が生まれるキャビテーション現象によるものです。 キャビテーション現象のイメージしやすい例として、空気のない水中で船のスクリューが回る時に泡が発生する現象が挙げられます。 関節の中でも比較的動きやすい部分で発生するので、基本的に同じ箇所がポキポキ鳴ります。 普段から動きやすい関節といえど、圧力の変化などによりロックがかかっているものがはずれるので気持ちよさはあると思います。 ただしそれによって首、肩こりがとれるまでは至らないでしょう。
首をポキポキ鳴らすリスクについて
首の関節は常に強力な靭帯で守られている為、ポキポキ鳴る際に多少の衝撃があっても関節炎になることはないですが、周りの組織にダメージを与える可能性はあります。 例えば、常軌を逸したヘッドバンキングや、ひねる動き、交通事故による鞭打ちなどで外部の力が大きくかかると、血管、神経、軟部組織を損傷する可能性はあります。 海外では頸椎動脈を損傷し脳卒中になった事例や神経を痛めるというケースもありますので、自然に鳴る以上に無理に鳴らすのやめておきましょう。
すぐに病院に行った方がいい危険な首ポキ音
スポーツ中の事故、交通事故などで、強い衝撃を受けた際に音が鳴った場合や、ポキポキ音が鳴る度に痛みがある場合は非常に危険です。 すこしでも違和感を感じたら病院に行きまずはレントゲンを撮って、脊髄、椎間板等に異常が無いか診察を受けましょう。
整体などの専門的な施術によるポキポキ音について
外的な力がかかって鳴るポキポキ音として整体で鳴る音をイメージされる方もいらっしゃるかと思います。 まず前述のとおり、脊柱や骨盤は強力な靭帯で守られているため、よっぽどのことが無い限り問題はありません。 ただ、特定の部位において、肋骨(特に浮遊肋骨である11,12番)や頸椎1番など、誤った施術を行って骨折等させてしまう可能性があるのは事実です。 一部の整体では、首や身体全体をねじって、バキバキバキッと複数の箇所で一気に音を立てることを目的とするような施術をおこなうところもあります。 筋繊維も含めて、上記のような部位を損傷する可能性が高く、ハイリスクと言えるでしょう。 一方カイロプラクティック施術でのポキポキ音は、動かしたい部位をピンポイントでアジャストする為、音を鳴らすという目的はありませんが、たいていの場合『コッ』と軽い矯正音が発生します。 前者よりはローリスクと言えますが、適切な部位を適切な方法でアジャストしなければやはり危険は伴います。 どちらにしても、施術者が安心して身を任せられる人かどうかが大事になりますので、不安と感じた場合は、「音が鳴る施術は怖いのでやめていただきたいです」などと拒否することも必要です。 また、リウマチ患者や骨粗しょう症など禁忌もありますので、持病などはしっかりと伝えて施術を受けることがおすすめです。
ポキポキ音が心配な時の首こり・肩こり改善ストレッチ・ケア
ここまで、多少のポキポキ音なら問題ないとお伝えして来ましたが、やはり、大きな音がしつこく鳴るなどの理由で心配な方もいらっしゃるかもしれません。 ただ、もし首コリや肩こりにお悩みでしたら、首ポキ音を避けるために何もしないよりも、上手にストレッチやエクササイズを取り入れることがおすすめです。 ベストは次に紹介するような首関節に負担をかけずに首、肩を動かすエクササイズです。
- キャットレッチ
- 肩甲骨回し
- 腕のセルフケア
【1】キャットレッチ
肩こりは基本的に首と肩まわりの後部筋群が引き伸ばされすぎる事により、コリが発生し、リンパの流れも停滞します。 よって、前側の筋肉をストレッチし、後部筋を収縮させる動きを行います。 【手順】
- 背中の後ろで、手の平が上を向くように指を組みます。
- 肘を伸ばし、肩を限界まで後ろに引きます。胸を開き左右の肩甲骨を近づけるイメージです。このとき腰が反らないように注意しましょう。
- 肩を引いたままキープし頭を後ろに倒し3秒キープします。この時、口をすぼめてゆっくり息を吐きます。
- 頭を起こして肩の力を抜きます。
首、肩がつらいと思ったタイミングでやってみましょう。 このキャットレッチは虎ノ門カイロプラクティック院の碓田DCが考案されました。 https://toranomon-chiro.com/catretch ※虎ノ門カイロプラクティック院のキャットレッチのページ
【2】肩甲骨回し
首~肩にかけてのほとんどの筋肉が付着し、負担のかかりやすい加重関節である 肩甲骨をしっかり動かす事により、リンパの流れや血行を効率よく促進し、肩こり症を改善する。 肩甲骨を後ろに回します。その際、出来るだけ持ち上げ、そこから出来るだけ後ろに引くことを意識して回します。 肩甲骨まわりの筋肉を動かす事目的ですので、動きはゆっくり行います。 エクササイズですので、あまり頻繁にやると疲れるかもしれません。 首、肩がつらいと思ったタイミングでやってみましょう。
【3】腕のセルフケア
肩こりは腕の疲れからくる事も多いです。 特に指先を使って細かい作業をするような場合は腕のケアを行って下さい。 やり方は様々ですが、主に伸筋群(前腕の筋肉)を狙うと良いでしょう。 前腕伸筋群は手首や指先をコントロールする部分で、疲れもたまりやすく、ここから肩や首のコリの原因にもなり得ます。 リンパを流すイメージで揉みさするほか、手三里など東洋医学のツボを押さえるのも良いでしょう。 ツボに関しては何度押しても悪くなることはないので、ふとした時間に押す習慣をつけても良いかもしれませんね。
セルフケアが難しい場合の整体院の選び方
自分でストレッチなどのケアを行うのが心配なほどの音が鳴る場合は、一度病院にいかれた方が良いですが、「コリが取れにくい」「ポキポキ鳴るのが気になる」という場合は、整体院などもおすすめです。 とはいえ、先述の通り整体でもリスクはありますので、安心して施術を受けられる院に行きたいと思われるのではないでしょうか。 まず、避けた方がいいのは「首ポキ音は諸悪の根源ですよ!危ないですよ! 」などと、大げさに言って来院をすすめるところはあまり信用できないかもしれません。 首がポキポキ鳴る、鳴らすという事自体がほとんどの場合大したことではないので、むやみに危険を煽るのは不自然です。 判断基準としては、本当に問題のある箇所を特定すべく、入念に検査をしてくれる院を選ぶことです。
首がポキポキ鳴らないようにする方法
特に問題がないとはいえ、首を回すたびに音が鳴ってしまうのが気になるという方もいらっしゃるかと思います。 どうしても治したいという場合は一度カイロプラクティック院に行かれてみることがおすすめです。 カイロでは問題のある箇所を判断し、的確なアジャストを行えば、音が鳴らなくなる可能性も十分考えられます。 たとえば普段動いていない場所を動かして可動を分散するほか、軸がずれている部分を矯正することで、改善されるかもしれません。
まとめ
気になる首ポキ音について紹介しましたがいかがでしたか? 大きな音が鳴ると心配かもしれませんが、ストレッチ程度で鳴る音は特に問題はありませんのでまず、安心して下さい。 ただ、音を立てても肩こりや首コリの改善に直接繋がりませんので、音を立てるために無理な力を加えることは避けましょう。 また、事故などで音が鳴るようになったケースや、痛みや違和感が続く場合は早めに病院にかかることをおすすめします。