今回は、10代に側弯症を患い、長年肩こりに悩まされていた20代女性の改善事例を紹介します。
側弯症(そくわんしょう)とは
まずは側弯症について簡単に紹介します。
側弯症は背骨が左右に曲がったりねじれたりする症状で、大きく分けると2種類に分かれます。
- 真性の側弯症
- 代償性の側弯症
【1】真性の側弯症
真性の側弯症は、肋軟骨の歪みに起因し脊椎が曲がって起こるもので、10代の成長期に、悪い姿勢を続けていることで発症しやすいといわれています。
進行の過程で背部に痛みを感じる事はほとんどないので、本人も気づかないうちに発症し、小、中学校の集団検診で見つかる事が多いです。
好発年齢が12~13歳とあるのもこのことと関連しており、さらに患者の大半は女性です。
【2】代償性の側弯症
骨盤の歪みから来る骨盤性の側弯症や、ヘルニアや重度の腰痛による逃避反応、つまり痛みを避けるために自然と無理な姿勢をとった結果発症する側弯症を、代償性の側弯症と呼びます。
例えば右後方に腰を反ると痛みが出る場合、左前方にうずくまるような姿勢が楽ですが、その姿勢をとり続けることによって、筋肉がアンバランスになり、側弯症のような歪みが顕在化します。
この場合、筋肉が過剰に引っ張っているだけなので、カイロプラクティックの施術で筋肉のバランスを整えれば、比較的簡単に改善することが可能です。
学生時代に側弯症と診断され当時からあった肩こりが働き始めて悪化した
今回のお客様(仮名E様)は学生時代から悩まされていた肩こりが、デスクワークを始めてからさらにひどくなったとのことで、お住まいから通いやすいnicoに相談に来られました。
E様の肩こりは、首から肩にかけての重だるさがあり、ピンポイントで痛いという箇所はない状態でした。
背中をみたところ、ゆがみがあったので、側弯症についてお尋ねしたところ、学生時代に診断されたけれど特に自覚症状はなかったとのことです。
施術を行い、経過を見ないことには、E様の肩こりと側弯症の関係はわかりませんでしたが(一般的はない場合が多いです)、関係がない真性の側弯症の場合、無理に矯正すると逆に背中の痛みを引き起こす可能性があります。
その内容を踏まえ、E様は側弯症の矯正については特に希望はないと仰いました。
側弯症よりも骨盤のゆがみが肩こりに影響を及ぼしていた
E様は、デスクワーク中心で、さらに働きはじめてから肩こりが悪化したとのことで、骨盤のゆがみや骨盤のゆがみに由来する頚椎の歪みが肩こりに影響していることが想定されました。
デスクワーカーさんは骨盤で体を支えるので、骨盤のゆがみは上半身全体に影響を及ぼします。
また、真性の側弯症だけではなく、代償性の側弯症も起きている可能性がありましたので様子を見ながら筋肉のバランスを整えていきます。
もう一点、左肩甲骨にズレがあり、肩こりに直接的に関係してはいないと見られましたが、念のため改善のための施術を行ないました。
施術後、左肩甲骨のズレは4割ほど軽減し、肩こりも8割ほど解消しました。
側弯症を考慮しながら施術を行い肩こり改善
E様は学生時代からの真性の側弯症のほか、骨盤のゆがみや肩甲骨のズレによる代償性の側弯症が併発しており、後者へのアプローチとともに、骨盤や頚椎、そして肩甲骨のズレを解消し、肩こりを改善しました。
側弯症は個人差があり、角度の強い側弯症や、側弯症による内臓の圧迫がある場合は、異なるアプローチを行なうほか、外科手術が必要なケースもあります。
ただ、ほとんどの方は軽度で、真性の側弯症でないことも多く、カイロプラクティックの施術で改善できることもあるので、気になる場合は1度、当サロンにご相談ください。