「膝の痛み」といっても、膝の表・膝の裏・膝の内側・膝の外側・膝の中心と様々な箇所の痛みがあります。
また、歩くときに痛む・階段の登りで痛む・階段の下りで痛む・立ち上がりに痛むなど動作も様々です。
このように痛む場所も動作も違う様々な膝の痛みに共通して言えることがあります。
それは、膝の痛みのほとんどは原因が膝自体には無い、ということです。
膝の痛みの症状で膝自体を治療することは、当整体院では骨の変形やスポーツ障害を除くとあまり例がありません。
それでは、膝が痛むときにケアするべき箇所はどこなのでしょう。
膝の痛みの原因は太腿、股関節と腰椎が多い
当院の患者さんの膝の痛みの原因は太腿のトラブルによるものが最も多く、次いで股関節・腰椎(腰の骨)が原因のものです。 太腿のトラブルから膝に影響を与えているケースは非常に多くあります。 太腿といっても前や後、内側・外側とたくさんの筋肉がありますが、そのほとんどが膝の骨や何らかの膝の靭帯・腱に付いています。 隣り合う筋肉は影響し合うものですが、太腿と膝はもはや連動しているといってもいいくらいなのです。膝の腫れや違和感も同じ
膝のトラブルは痛みが最も多いので「痛み」と表現していますが、もちろん膝の違和感や腫れている状態もあてはまります。 異常が生じるときにはまず違和感が起きることが多いものです。 (急な怪我などを除きます。) 違和感がさらに進行すると痛み=炎症や、炎症がひどいと腫れたり、また、膝は水が溜まってしまう場合もあります。 そこまで進行してしまうと膝だけでなく近隣の組織にも炎症が及んでいる場合が多く、すべての痛みや症状の解消に時間がかかってしまいます。 ですので、そうした痛みや腫れや違和感などをを含む膝の症状全般に関して、原因に太腿が関連していることが多いということです。 そして、できれば膝の腫れまで進行しない違和感や痛みの内に、原因をケアすることが早期解決につながります。なぜ膝の症状は膝自体に原因が無いことが多いのか
そもそも、なぜ膝の痛みは他から引き起こされることが多いのでしょうか? それは膝の作りにも関係があります。 関節とは骨と骨をつなぐジョイント部分で、主な関節には膝関節・肩関節・肘関節・股関節があります。 上の骸骨の図を見ていただくと、他の関節に比べて膝関節だけ、見た感じあっさりしてないでしょうか? 一見すると、骨の平らな箇所(下腿骨)にさらに太い骨(大腿骨)が乗っているだけ、かのように見えます。 他の関節はつなぐ骨と骨が、もっとこうガッチリと組み合っているように見えます。 これは各関節の動き特有のジョイント方法であり、膝関節は人体で最も大きな関節にもかかわらず乗っているだけ風の非常に不安定な作りになっています。 しかし、そのジョイント方法であってこそ、複雑な膝関節の動きが可能になるのです。 逆に言えば、膝の複雑な動きは骨がガッチリ組み合っていては不可能なのです。 また、骨と骨は直接触れてはおらず靭帯や腱・軟部組織で囲まれて衝撃が吸収されるような作りになっています。 膝関節の骨自体はガッチリと組み合うタイプではなく、膝の動きには他の組織とつながる靭帯や腱が非常に重要であるために、他からの影響を受けやすいのです。 そしてそれは、膝のトラブルの性質にも表されます。膝のトラブルは2次的に起こる性質がある
膝の痛みは、加齢による膝の骨の変形やスポーツ障害を除き、原因の8割が太腿周辺の筋肉(大腿筋群)の収縮によるものが多いです。 太腿の使いすぎ・使わなすぎで起こる筋肉の固さがいわゆる膝の皿(膝蓋骨)を引っ張って、痛みが起こっているという訳です。 また膝に関連する神経は腰から来ているため、腰のトラブルから膝の痛みを起こしていることもあります。 ということは膝の痛みと腰(骨盤・腰椎・股関節など)の働きも影響が大きいと言えます。 これらの理由すべてに共通することは膝以外の箇所から起きている痛みであり、2次的な痛みだということです。膝痛の原因にトリガーポイントの活用
膝の痛みの特徴として、筋肉が原因で起こる場合はトリガーポイントという施術方法で比較的簡単に改善することが可能です。 まず、当カイロプラクティック整体院ではどのような症状であってもまずは体全体をみることをします。 症状の原因を探るのに、まずは神経系及び関節の動きをチェックし、異常が無ければ筋肉をチェックしていきます。 当整体院の膝の痛みの患者さんでは、8割が膝以外・太腿に原因があるとお伝えしましたが、さらにそのうち4割ほどは筋肉が原因の痛みです。 筋肉が原因の膝の痛みでは、原因がトリガーポイントだということが多くあります。トリガーポイントとは?
トリガーポイントとは伸びすぎた筋肉にできる圧痛点で、コリとは違います。 例えば、膝の痛みならトリガーポイントの箇所はここ、というように決まった場所にあり、大体が症状のある個所とは離れています。 そしてリリース方法が決まっており、3種類ほどあります。 トリガーポイントは東洋医学で使われることが多く、西洋医学ではカイロプラクティックで多く取り入れられています。 神経のつながりや解剖学的な視点、また筋膜などとは関連のない部分にあたり、痛みという症状の引き金(トリガー)になっている場所のことを表しています。トリガーポイントが正しければ少ない処置で痛みが解消する
当整体院の患者さんで、実際にトリガーポイントが膝の痛みを起こしていた例を紹介します。①トリガーポイントによる膝の外側の痛み
50代の女性で立ち仕事(講師)をされていた患者さんで、左膝の外側の痛みでご来院なさいましたが検査の結果、神経も骨も大きな異常がありませんでした。 多少ゆがんでいた骨盤と背骨(脊柱)を矯正し正しく機能するよう調整した後、唯一異常のあった太腿の外側の筋肉(大腿筋膜張筋)に対するトリガーポイントのリリースをおこなったところ、一度の処置で痛みが解消し、再発はありませんでした。②内腿(内側広筋)のトリガーポイントによる膝痛
40代女性で座り仕事の患者さんで、左膝の内側の痛みでご来院なさいましたが、こちらも全身の検査の結果、神経・骨に異常がありませんでした。 わずかにゆがんでいた背骨と骨盤を正しい位置に矯正し、さらにトリガーポイントを探したところ内腿(内側広筋)にありましたのでリリースをしました。 こちらも一度の処置で膝の痛みが0になり、症状の改善になりました。膝の痛みがある人に
- まず、ほとんどの場合、膝が悪い訳ではありません。
- 軽度の膝の痛みなら、自分でできるエクササイズもあります。
- 膝の痛みの原因の多くは太腿の筋肉にありますが、筋肉が原因の痛みのうちトリガーポイントが原因であることは多く、きちんと見つけることができれば少ない処置回数で膝の痛みを解消できる可能性が高いです。
膝の痛みの原因セルフチェック
膝の痛みの原因がどこにあるのかは簡単なセルフチェックで確認することができます。 あなたの膝の痛みはどこから来ているのか、原因が太腿の固さなら階段の昇り降りで判断できる場合があります。- 階段を上るとき痛む →太腿前と外側の固さ(四頭筋、大腿筋膜張筋)
- 階段を降りるとき痛む →太腿の裏の固さ(骨盤のゆがみによる二頭筋)